コンロ爆発

 

これは現在の家の話ではない。2000年に日本の会社から派遣されて最初にシリコンバレーに来た時、Redwood Cityという町の、小さな借家に住んだ。家自体も築30年余りとのことだったが、キッチンのストーブ(コンロとオーブンがいっしょになったもの)がかなり古びていた。賃貸物件でも大抵の場合、冷蔵庫を始めキッチンの大物家電製品は備え付けてある。調理器具はこちらではガスよりも電気式のコンロが主流で、渦巻き型のヒーターが大小2つずつ、全部で4つついているのが一般的である。下はオーブンになっており、全体を指してストーブという。4つのヒーターのうち、小さい方2つしか働かなかった。単身赴任なんだからそれで十分でしょうということで、私もまあいいかと思っていた。この物件の場合、オーナーは離れた所に住んでいて、日常の管理は不動産ブローカーに任されていた。従って窓口はそのブローカーである。当初住人である私に対してあまり親切と言える対応ではなかった。もちろんアメリカ暮らし自体が初めてで全く勝手がわからないことや、英語があまりにも貧弱だったせいもある。

 

ところが入居して1週間もしないうちに事件は起こった。生きている ヒーターのひとつにフライパンを乗せ、野菜炒めみたいなものを作っていた時のことである。突然パーンと飛び上がるほど大きな音がした。そしてフライパンの中の物が実際に少し飛び上がったように見えた。何が起きたのか検討がつかなかったが、とりあえずスイッチを切った。そして発見したのは渦巻状のヒーターの途中が破裂していたこと。そしてフライパンの底の相当する位置に直径1 cm弱の穴が開いていたことである。いかにも破裂したという感じで、穴の周囲はいわゆる王冠状になっていた。何らかの原因でヒーターが破裂し、その力はフライパンに穴を開けるほどのものだったということだ。これはやばいと思い、ブローカーに電話した。「グリルが爆発してフライパンに穴が開いた。こんな危ないストーブは使えない。何とかしてくれ!」みたいなことを怒鳴り散らしてみた。彼女はこの時ばかりはすぐにやって来た。穴の開いたヒーターとフライパンを見て、ストーブは新品と交換するからとりあえずこれを使ってくれと、ポータブルの二口コンロを置いて行った。そして1週間ほどで新品のストーブと交換されたのである。

確かにこれでテナントに怪我でもされたら訴訟になって、どれだけ慰謝料を請求されるかわかったものではない。細かい問題についてはいつになったら対応してくれるのかわからないという感じのアメリカ社会ではあるが、こういった重大な問題へのレスポンスは驚くほど早かったりするのである。実際かなり危険を感じたのは事実である。

そんな経験もあったので、現在の家のストーブが不調になってきた事については、ちょっと真剣に大家さんに相談してみたのである。

 

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