中古車修理

 

 中古車のトラブルで泣く話は多い。もちろん日本にもある。しかしアメリカでこの問題に直面すると、不慣れな内容を英語であれこれと交渉しなければならないのが苦しいところだ。私は車に関してエキスパートではないが、平均的な知識は持っているつもりだ。しかしトラブルの症状ひとつ説明するのも英語だと突然大変になる。キュルキュルとかシュルシュルとかキーンとか、異音の表現も何となく伝わりにくいし、相手が言うパーツの名前なども聞き取りにくい。

 20018月に家族も連れて渡米した直後、帰国準備中の日本人から、フォード系列のメーカーであるマーキュリーが日産と共同開発したVillagerという7人乗りのミニバンを購入したのだが、これがとんだクセモノだった。まあ6年落ちで走行距離も83,000マイル(13万キロ)とかなりくたびれた車ではあったが、購入後半年の間に次々とトラブルが発生した。最初はシートベルトの一つが引き出せなくなり、次にエンジンオイルと冷却液が共に漏れていることがわかった。近所のディーラー系サービスに持ち込んだところ、オイルパンとラジエーターの交換を含めて1週間以内に全部終わるだろうとのことで、預けることにした。レンタカーの代車を出してくれた。しかしこれが何だかんだで3週間ほどもかかった。レンタカー代は向こう持ちだが全部で2千数百ドルの修理である。ところが車が戻ってしばらくすると、また冷却水が減っているのを発見したのだ。そして修理前にはなかったステアリングから、フルステア時にキュルキュルと異音がするようになった。

これに前後して会社の同僚から、こんな話を聞いていた。5年程前このあたりで、悪質な車の修理業者が一斉に摘発されたことがあったという。修理に持ち込まれた車を直したように見せかけて、他の部分のねじを緩めたりしておく。すぐにまた調子が悪くなるので客は再度車を持ち込んでくる。そういった手口を繰り返す業者が複数あった。ディーラー系だから安心などということはなかったらしい。

とにかく頭にきたので再度サービスに持ち込み、まだ冷却水が減るのだがと文句をつけたところ、「交換したばかりのラジエーターが原因だったら無料で交換する。しかしその他例えばウォーターポンプ等が原因だったらまず診断料として97ドルいただき、修理費の見積もりをする」という返事。これには日頃は温厚な性格を自認する私も切れた。あまりの興奮のため言葉が出ず、とにかくもういいからとサービスを後にした。後から考えると、こっちは水漏れの修理を依頼したんだ、そしたらお前がラジエーターから漏れているから交換しろって言ったんだ、だから交換したんじゃないか!水漏れが直らないのはそっちの診断ミスじゃないか!責任はそっちにある!くらい言うべきだったのだが、その場で素早く頭が回らなくて後になって悔やまれるのが私の悲しい性格なのである。もちろん証拠はないけれど、ステアリングからの異音は先の修理で仕組まれたものかも知れないとの疑いを捨てられなくなった。

そこで別のサービスへ持ち込んでみた。ステアリングからの異音は何とかベルトが緩んでいたとかで簡単に直った。これは完全に怪しい。冷却水の方は何かしてくれたのだが結局直らなかった。結局その後しばらくしてその車は手放したので真相は不明である。

それにしても近所のディーラー系サービスの対応には本当に頭に来たものだ。二度と行くもんか。そしてやはりアメ車なんて絶対買うものかと思ったのだった。

 

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