10-06

シリコンバレーに行こう!

 

 シリコンバレーに日本人が少ないと何が問題なのか。他の国々はあまり豊かでないから、移民を多く受け入れるアメリカでの成功と富を求めて行くのだろうが、日本人は日本国内で十分豊かだからいいじゃないか、と。確かに20世紀後半はそうだったかも知れない。バブル崩壊とか、深刻なデフレとか、何だかんだ言っても日本にはまだお金がたくさんあるようだ。しかしこの先21世紀もそうだろうか? 日本には資源がない。食料の自給さえままならないのである。当たり前のことだが、他の国々との関わりなくして生きていけないのである。一方で理由は様々であるにしろ、シリコンバレーには様々な国から人が集まり、様々な交流が生まれている。ここに日本人の存在感がないというのは、そもそも絶対数が少ないからだ。漠然とではあるが、このままだといつの日か、日本が世界から取り残されてしまうのではないかという危惧のようなものを感じた。だからまず基本として、こういう場所にもっとたくさんの日本人がいた方がいい。そして様々な形で、世界各国の人々と交流した方がいい。それはサイエンスに限った問題ではないと思う。外交は外務省だけがやっていればよいというものではないと思う。だからと言ってひとりでは大した事はできない。だからこうして書いているのである。

 

日本人がもっとシリコンバレーにいるべきなのは、日本や日本人のためだけではない。それにより他国の多くの人々に日本や日本人のことをもっと理解してもらい、不要な偏見や誤解をなくすことにもなる。あまりにも当たり前かも知れないが、異なる背景を持つ様々な人たちが知り合い、情報を交換することで、最終的には世界レベルで世の中が改善すると思う。

 

従って日本人は言葉の壁を越えて、face to faceで世界の国々の人たちと相互に理解し合う必要がある。インターネットや電子メール、電話やFAXだけに頼っているだけでは真の交流はできない。他の国では物事をどのように考え、日本とどのように違うのか、もっと理解する必要がある。私たちは現在、いったいどれだけ理解しているだろうか。

それがなぜシリコンバレーなのかと聞かれれば、この地が非常に多国籍だからである。そういう意味ではニューヨークでもいいのかも知れないが、私はニューヨークに住んだことがないので、正直言ってわからない。私に言えるのは、少なくともシリコンバレーはこの目的に合致するということと、そういう場所はそれほど多くはないだろうということだけである。単にアメリカがいいと言うわけではなく、この特定の場所がいいのだ。 これに関しては、ITがどうとかバイオがどうとかの問題ではない。世界の中で、日本人がどうあるべきかという大風呂敷の話である。

日本がかなり排他的に発達してきたことで、ある時期大きな成功を収めたことも事実だと思う。単一かつ均質な国民性が、多くの製造業の生産性と信頼性を究極的に高めたことは誰もが認めることだろう。しかしこの先も単一かつ均質でいいと思っている人は いるのだろうか。20年前と現在とを比較すれば、今後20年間に現時点では想像すらできない程の多様な変化が待っていることは容易に想像がつく。インターネットを始めとする情報インフラの充実により世界がより身近になり、同時に個人個人に世界との関与が今まで以上に求められていくのも確かだと思う。その際、我々はどれだけ世界を知っているだろうか。

 

人間はよくわからない相手に対しては警戒しながら接する。場合によっては戦うことさえ辞さない程に。一方で気心の知れた相手なら親密なコミュニケーションができる。個人レベルでも、組織レベルでも、国家レベルでもこの基本は同じはずである。問題はどうしたら相手がわかるか、気心が知れるかということである。国が違う場合、言うまでもなく最大の問題は言語の壁である。言語以前に文化や歴史の問題だという方もいるかも知れないが、当面のコミュニケーションができなければ何も始まらない。そして世界が既に多言語で発達してしまった以上、これはある意味どうしようもない。どちらかが相手の言葉を覚えるしかないのである。日本語を話すのは、世界の人口の約2%だ。国土面積で言えば1%もないだろう。日本人としてはまず正しい日本語を覚え、その上で英語を覚えるのが理想的だと思う。

  

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